くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)

くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)


全編通して夫婦の話。
夫婦なんていっても結局は他人通しで、互いの気持ちをすべて理解できるわけではない。
でもそこは愛さえあれば乗り越えられる壁なのだ、というなんともロマンチックな決意を秘めている。
漫画で泣いたのは久しぶりかも。
第4話。結婚して3年で亡くしてしまった妻を思う気持ちと、思い出のレコードから見つけた妻からの最後の手紙。
『しあわせになってね』
これは泣くって。
あ、漫画です。集めよう。

マザー・グースの唄を基調にそれぞれ小粒ながらもきらりと光る技巧派な短編集。
個人的にはカバの話が一番好き。
真に貧しい者は誰か。ウィットと教養に富んだ話ばかり。
この著作の中で、「私は登場人物を混沌の中に突き落とすのが趣味のようなものなのだ」というような著述があり、これは奇偶につながるものがあるかな、とふと思った。